アレルギーとは
人体には「免疫」と呼ばれるシステムがあり、ウイルスや細菌、寄生虫などの感染性微生物や異物などから、自身の体を守る役割を担っています。アレルギーとは、現代の環境や生活習慣の変化によって、免疫システムが異常をきたし、くしゃみ、呼吸困難、発疹などの症状が現れる状態です。
当院では、アレルギー症状に対する検査を行っており、検査を通じて原因を特定します。
アレルギーの原因物質(アレルゲン)が判明した場合、アレルゲンを周囲から除去するための生活環境の見直しについて助言したり、症状を抑えるお薬を処方したりします。
アレルギー症状でつらい思いをされている方は、当院までお気軽にご相談ください。
このようなアレルギーの
症状はありませんか?
下記のような症状が出ている方は、アレルギーの可能性があります。
- 口内のかゆみ
- 皮膚のかゆみ
- くしゃみが続く
- 鼻水
- 涙が出る
- 喘息
- 動悸
- 呼吸苦
- 下痢
- 慢性的な蕁麻疹
- 吐き気・嘔吐
など
主なアレルギー疾患
蕁麻疹
蕁麻疹は、全身の様々な部位に赤いできもの(膨疹)が現れる皮膚疾患です。時間が経過すると元の状態に戻ります。できものが消える前に撮影して頂くと、医師が診断する際に役立ちます。多くの場合、膨疹にかゆみを伴います。
蕁麻疹は2つに大別され、発症後6週間以内に症状が治まるものは急性蕁麻疹、6週間以上症状が継続するものは慢性蕁麻疹となります。
症状が長く続くほど治療にも時間を要するため、症状が出たらすぐに当院にご相談頂き、治療を受けましょう。
蕁麻疹は原因が明らかでないものが多いですが、ストレス、疲労、物理的刺激、アレルギーなどが考えられます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はかゆみなどの皮膚症状が改善と悪化を繰り返す皮膚疾患です。
原因の多くは皮膚のバリア機能の低下によるもので、バリア機能が低下した皮膚はアレルゲンなどの刺激を感じやすくなり、炎症を引き起こします。
かゆみが気になって掻いてしまうと、バリア機能がより低下してしまうためご注意ください。
接触皮膚炎
接触皮膚炎とは、刺激物質やアレルゲンにより皮膚に炎症が起きている状態です。
主な症状としては、皮膚の赤み、かゆみ、ヒリヒリ感、腫れなどが挙げられます。
原因となるものには、ウイルスや砂金、虫や金属などのアレルゲン、薬剤や洗剤などの化学物質が挙げられます。また、発汗状態、皮脂の分泌状態、皮膚の乾燥など、皮膚の状態が悪化している際は、症状が現れやすいです。
接触皮膚炎では、かゆみが生じるため気になって掻いてしまうことがありますが、掻きむしってしまうと皮膚のバリア機能にダメージを与えて悪化の要因になります。症状が現れたら、早めに当院までご相談ください。
気管支喘息
気管支喘息は、気道に炎症が起きている状態で、特徴な症状としては、喘鳴(呼吸時に「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と音が鳴る症状)があり、他にも息苦しさ、咳、痰などが生じます。
カビやダニ、花粉(スギ)、ペットのフケや毛などのアレルゲンが気管支に侵入し、刺激を加えることで起こります。
結膜炎
結膜炎とは、眼球の白目と瞼の裏側を包む膜である結膜が炎症を起こす疾患です。
主な症状には、目の充血、かゆみ、浮腫などがあります。
原因には、ウイルスや細菌、アレルギーなどが挙げられ、原因によって「ウイルス性結膜炎」、「細菌性結膜炎」、「アレルギー性結膜炎」の3つの種類に分けられます。
花粉症・
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎はアレルゲンが鼻粘膜に侵入して起こるアレルギー症状で、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどが起こります。
2つに分けられ、ヒノキやスギなどの花粉シーズンだけ起こる季節性アレルギー性鼻炎と、ハウスダストやペットのフケ・毛などによって1年を通して起こる通年性アレルギー性鼻炎があります。
症状によって勉強や仕事に支障をきたしたり、夜寝られなくなったりするなど、生活に影響が出ることがあります。
適切な治療を受けることで症状を抑えることができるので、お困りの方は当院までお気軽にご相談ください。
食物アレルギー
特定の食品を食べることで生じるアレルギー症状を食物アレルギーと言います。
よくあるアレルギーの原因物質(アレルゲン)には、乳、卵、小麦などがあります。
治療は、アレルゲンを特定し、食べないようにすることが大切です。
症状が現れた際に食べていたものをメモし、診察時に医師にお伝えください。
当院で行う
アレルギー検査
当院では、以下の検査方法からどのようなアレルゲンが原因となっているのか特定し、治療へと繋げます。
※血液検査(View39など)は、2歳以上のみ対応可能です。
血液検査
目的に応じて、以下の検査を実施します。
非特異的IgE抗体
アレルギー体質かどうかを調べるために実施します。
View39
具体的にどのようなアレルゲンが原因になっているのかを調べます。
例えば、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、喘息などの原因を調べられます。
この検査の特徴として、採血を1回するだけで39種類のアレルゲンを調べられます。
食餌系アレルゲン
<食べて体に入ることで、
アレルギー反応を起こす可能性があるもの>
- 牛乳:ミルク
- 卵:オボムコイド、卵白
- 小麦:小麦
- 肉・魚類:鶏肉、豚肉、牛肉、サバ、マグロ、サケ
- 甲殻類:カニ、エビ
- 穀物・豆・ナッツ類:米、そば、ごま、大豆、ピーナッツ
吸入系アレルゲン
<吸い込んで体に入ることで、
アレルギー反応を起こす可能性があるもの>
- 室内の塵:ハウスダスト、ヤケヒョウヒダニ
- カビ:アスペルギルス(コウジカビ)、アルテルナリア(スズカビ)、マラセチア、ラテックス、カンジダ
- 昆虫:ゴキブリ、ガ
- 動物:ネコ
- 樹木:ヒノキ、スギ、シラカンバ、ハンノキ
- 草:ブタクサ、ヨモギ、カモガヤ、オオアワガエリ
TARC
TARCとは、アトピー性皮膚炎の重症度を評価するために実施する血液検査です。検出される値はアトピー性皮膚炎の状態を表したものであり、重症度を評価するのに役立ちます。
皮膚症状が改善しても、炎症が残っていればTARCは高値を示します。そのため、定期的に検査を受けることで、適切な治療法を判断できます。
パッチテスト
パッチテストは、かぶれなどの遅延型アレルギーの原因を調べるために行われます。
背中や腕の内側などの肌に専用のシールを貼り、2日目、3日目に紅斑が現れるか確認します。当院で採用している「パッチテストパネルS」は、1回の検査で22種類のアレルゲンを調べられます。
また金属成分のパッチテストも行えます。
食べ物アレルギーが疑われる方は専門の医療機関をご案内します
食物経口負荷試験
食物経口負荷試験は、食物アレルギーの原因物質(アレルゲン)の可能性がある食べ物を実際に食べて頂き、症状が起こるかを確認します。どのくらいの量まで安全に食べられるかを確認する目的で実施します。現在行われている食物アレルギーの検査の中で、一番信頼度が高いです。
アレルゲンが判明した場合は、基本的にそれを口にしないように食生活の見直しを行います。
問診や血液検査を実施し、食物アレルギーの可能性がある場合は連携している専門の医療機関をご案内します。